トータルリターンで考えると効率は良いのかな?
そのダウの犬について解説していくぞ!
高配当投資を実践されている方は多いと思いますが、私もその一人です。
ただ資産を増やすだけでなく将来的に株式からの配当などの"不労所得"から生活費を賄おうとするならば高配当投資は相性が良いです。
結論から言うと、長期投資であれば高配当投資は市場平均を上回る可能性があります。
今日はそんな高配当投資の一種で、ダウの犬戦略について解説していきます。
そもそもダウの犬とは、投資が盛んなアメリカで生まれた株式の投資法です。ダウの負け犬、ダウ10戦略とも言われます。
なぜダウの犬、ダウの負け犬(Dogs of the Dow、Dow Dogs)と言われるかは、配当利回りが高い銘柄は株価が低迷して、人気がない銘柄であるといことに由来しているそうです。
配当利回りが高い銘柄は株価が低く抑えられていて、配当利回りが低い銘柄よりも株価が上昇する可能性が高いという考え方がこの戦略の基本になっています。
基本的に配当利回りが高い企業はすでにその分野で成熟していたり安定しているので、これからの成長性が大きくは期待できません。よって株価の大きな上昇もあまり期待はできません。
基本的に配当利回りが高い銘柄は長く続いている企業であることが多いです。
利益を企業の成長にどんどん投資していく段階ではないので、その変わり配当を多く出して株主に還元しています。
逆にベンチャー企業やスタートアップなんかは、あまり配当を出さずにどんどん利益は自社の成長に投資して、株価はぐんぐん上がっていきます。(※優良なベンチャー・スタートアップに限る)
上手い具合にこれからどんどん成長していく企業に投資する事が出来れば、株価は数十倍、数百倍になることもあり、もちろんそれが1番大きな利益が出ます。
ただ本当にそうなる企業は極1部であり、それを見つける事が難しいのです。
高配当投資では配当金は確実に得られるものであり、長い時間をかければ数十倍は無理でも着実に資産を増やす再現性が高いと思います。
そして、今回ご紹介する"ダウの犬戦略"はインデックス投資よりも高いリターンを得られる可能性があります。
ポイントを解説していきます。
ダウの犬のポイント
○米国の代表的な株価指数のダウ平均株価指数を構成する30銘柄の中で、配当利回りの高い上位10社に同じ金額で均等投資する。
〇1年に1度その時点で配当利回りが高い10銘柄を入れ替えて投資し直す。
〇これを毎年繰り返す。
非常にシンプルな投資法です。
アメリカのNYダウ30種の中から高配当銘柄TOP10に均等分散して1年間ほったらかす。
1年後にまた配当利回りが高い順に並び変えてリバランスするだけです。
具体的な銘柄ってどうなるの?
※2020年7月時点でのダウ平均の中の配当利回りが高い順の10銘柄でポートフォリオを組むとこんな感じになります。
ティッカー・銘柄名 | 配当利回り | 企業概要 |
XOM エクソンモービル | 8.16% | エクソンモービル(Exxon mobil Corporation)は石油化学メーカー。世界各地で石油お よび石油化学事業を展開する。石油・ガスの探鉱・生産、発電、石炭・鉱物事業に従事。燃料、潤滑油、化学品の製造、販売も手掛ける。 |
CVX シェブロン | 6.04% | シェブロン(Chevron Corporation)は総合エネルギー会社。世界各地で事業を展開す る。原油および天然ガスの生産、輸送に従事。燃料の精製・販売・流通のほか、化学品事業、鉱業、発電、エネルギーサービスも手掛ける。 |
BA ボーイング | 5.53% | ボーイング(The Boeing Company)は航空機メーカー。子会社と共に商用ジェット機を開発、製造、販売する。世界各地の商業航空業界に関連サポートサービスも提供する。軍用機、ヘリコプター、宇宙・ミサイルシステムなど、情報・宇宙・防衛システムの研究、開発、製造、改良、サポートも手掛ける。 |
IBM IBM | 5.51% | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)(International Business Machine s Corporation (IBM))は、コンピューター・ソリューションを提供。アプリケーション 、テクノロジー・コンサルティングおよびサポート、プロセス設計・操作、クラウド、デジタル・ワークプレイス、ネットワーク・サービスのほか、事業再生機能、戦略、デザインソリューションを提供する。世界各地で事業を展開。 |
WBA ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス | 4.72% | ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(Walgreens Boots Alliance, Inc.)は、小売ドラッグストア。処方薬や非処方薬、雑貨などを販売する。プライマリーおよび救急ケア、ウェルネス、薬品・病気管理サービス、ヘルス・フィットネスなどを含むヘルスサービスも提供する。 |
VZ ベライゾン・コミュニケーションズ | 4.52% | ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.)は総合電気通信会 社。有線音声・データサービス、無線サービス、インターネットサービス、電話帳発行などを手掛ける。連邦政府向けに業務用電話回線、データサービス、電気通信機器、公衆電話などのネットワークサービスも提供する。 |
PFE ファイザー | 4.32% | ファイザー(Pfizer Inc.)は医薬品会社。 腫瘍、炎症、心血管疾患、その他の治療分野向けに医薬品、ワクチン、医療機器、消費者向け医療製品を提供。 世界で事業を展開。 |
MMM スリーエム | 3.80% | 3M(3M Company)は多角経営会社。主な事業分野は、電子、電気通信、工業、消費者・オフィス製品、ヘルスケア、保安など。テクノロジー、製造事業、販売網、その他資源を全社的に共有する。世界で事業を展開。 |
JPM JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 3.69% | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー (JPMorgan Chase & Co.)は、国際的金融 サービスおよびリテール銀行業務に従事。サービスには、投資銀行業務、トレジャリー サービス、証券サービス、資産管理、プライベートバンキング、カード会員サービス、商業銀行業務、住宅金融などがある。企業、機関、個人を対象にサービスを提供する。 |
KO コカ・コーラ | 3.62% | コカ・コーラ(The Coca-Cola Company)は清涼飲料メーカー。ソフトドリンク濃縮液お よびシロップの製造、販売、流通に従事する。果汁および果汁飲料製品も手掛ける。米国内外の小売業者および卸売業者に製品を提供。 |
現在で言うとこんな感じのラインナップになります。
米国株、高配当株投資をされている方からするとお馴染みの、どれもアメリカの超大手企業です。
基本的にこのあたりの銘柄を買ってホールド、1年後に配当利回りの順位が他の銘柄と入れ替わればそれに伴い入れ替えるといった感じですね。
大企業ばかりなので倒産リスクは極めて低いと思われますが、メリット・デメリットそれぞれ見ていきましょう。
1.高配当で確実に利益を積み重ねられる
ダウの犬戦略は配当利回りが高い"高配当銘柄"に投資する手法なので、利回りの比較的高いインカムゲイン(保有しているだけで得られる利益)が確実に得られます。
株式等が取得単価より下がっていたとしても、配当を得られることでそちらの利益を確保でき精神的にも安定しやすいです。
長期保有すれば利益は積み重なっていくのでトータル目線で考えましょう。
得た配当は再投資すれば、追加で資金を投入しなくても翌年の配当はさらに増えます。
これを繰り返せば"複利の力"でどんどん得られるインカムゲインが増えていきます。
2.細かい分析は不要
ダウの犬の戦略は前述の通りとてもシンプルです。
難しいファンダメンタルズ分析や、テクニカル分析をしなくてもただルールに従って買ったらあとは1年ほったらかし!
1年後にまたルールに沿って入れ替えるだけです。
毎日細かい分析をしなくて良いので、時間の効率も非常に良いです。
1.まとまった資金が必要
基本的に高配当銘柄は大型の銘柄が多い事から株式の取得単価が高い場合があるのと、個別に複数銘柄買う必要があるので投資資金がある程度必要です。
ただし純粋なダウの犬ではないですがETFなんかを活用すればその問題は解決できます。
米国株の高配当銘柄が対象のVYM・HDV・SPYDなんかに投資すれば個別に買うよりも少ない資金で多くの銘柄に分散投資ができます。
ETFだと銘柄の入れ替えもファンドがしてくれ、その手間も省けるので買付けるだけでほとんど完全にほったらかしでもいけます。
運用コストはかかりますがこれらのETFは年間0.1%以下と非常に低いコストで運用してくれるので、手間を考えるとかなりメリットの部分が大きいです。
これらの銘柄に関してはこちらで紹介しています。
-
【高配当米国ETF比較】 VYM ・HDV・SPYD リターンは?どれがいい?
...
続きを見る
日本版の高配当銘柄が対象のETFもあります。
ただ米国株の方が成長性があることや、連続増配の実績等の株主還元の意識の違いから日本株より米国株の方が私は魅力に感じます。
税制面では日本株の方が有利ですが、それを踏まえても米国株の方が期待値が高い事から私は米国株メインで投資しています。
外国株についての税金に関してはこちらをご覧になってみてください。
-
【外国税額控除】アメリカ株などの配当の二重課税を防止!海外株式に投資してる人必見!!【節税】
...
続きを見る
2.必ずしも市場平均を上回るわけではない
優良企業に的を絞った高配当戦略は市場平均を上回る可能性があります。
※ジェレミー・シーゲル著 投資の未来より引用
このように長期間で見れば高配当戦略は市場平均を上回る結果を出しています。
安定して得られる利益、インカムゲインを再投資して投資元本を大きくしさらに利益を大きくしていきます。
ただしこの先もそうなるとは限りませんし、過去の投資実績は切り取る期間によって結果が変わります。
もちろんある期間ではインデックス投資よりもアンダーパフォームしてしまうことはあります。
その点には注意が必要です。
ただ確実性が比較的あり、再現性の高い投資法として私は多くの人が失敗しにくい投資法だと思います。
3.成長株に投資できない
高配当銘柄に投資するので配当を多く出す成熟した企業に投資することになります。
よってアマゾン、グーグル、アップルといった成長株の代表格は投資対象外になるのでキャピタルゲイン(値上がり益)は得にくいです。
こういった成長株は株価が何倍にもなってとてつもなく大きなリターンを生み出しますが、そういった銘柄に投資しないのはデメリットですね・・・
アマゾンの株価チャートを見てみましょう。
初値が18ドルなのに対し2020年7月時点で株価は3104ドルです。
実に172倍!!!(笑)
凄すぎ・・・
高配当戦略ではここまでのリターンを得る事はまず無理でしょう・・・
こういった大きなキャピタルゲインを狙わずにコツコツ配当再投資をしていくことになりますので、その点も踏まえてみてください。
長期投資であれば市場平均を上回る可能性はあっても、グロース(成長)株投資には劣ってしまう可能性が高いですね。
だが鉄の意志で愚直に投資していくことが目標達成の為の近道だと思うから、それぞれの目標に向かってやっていくことが重要だな!
ダウの犬戦略まとめ
●長期投資が前提で複利でリターンを大きくしていく。
●過去の実績では市場平均を上回る可能性がある。
●比較的安定したキャッシュフローが期待できる。
●基本的にBUY&HOLDなので手間があまりかからない。
●個別でやろうとすると最初からまとまった資金が必要。
●市場平均に負ける事ももちろんある。
●成長株は対象外になるので、成長株投資による莫大な利益を得る事は難しい。
私は最終的に配当から得られる不労所得で生活費を賄う事を目指しているので、高配当投資を実践しています。
配当金という結果が目に見えやすいので、戦略もたてやすい事からこの投資法をメインに選びました。
アマゾン・アップルなんかの株価を見ると心奪われますが(笑)
資金に余裕が出てきたら、一部ハイテク銘柄に資金配分してみようかなと思ったり(^^;)
投資への考え方の参考になれば幸いです。
長期運用での米国株投資では、手数料最安で最適なSBI証券が最もおすすめです。
こちらで解説していますのでよければご参考にされてみてください(^^)/
... 続きを見る
米国株投資の【手数料最安】で最適な証券会社はこれだ!!!