どうやってやるの?
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【外国税額控除とは?やり方を分かりやすく解説】画像たっぷりで詳しい記入例
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それについて、やり方を解説していくぞ!!
特定口座で運用していても、総合課税で確定申告&住民税申告不要とセットでするのだ!
結論から言うと、仕事などの収入と"国内株式の"配当を合わせて所得が900万円以下に収まる人は節税できます。
※その他利子所得、総合課税される配当所得、不動産所得、事業所得(副業など)も含む。
株式の売買益は分離課税になっていれば含まなくて良い。
NISA口座分は非課税なので対象外。
国内株式から配当金を受けとる場合、配当は企業に法人税が課された後の利益を株主に分配したものであるため、ここにさらに所得税を課すと二重課税となってしまいます。
それを防ぐための制度が配当控除です。
確定申告をする必要がありますが、所得税、住民税が還付されます。
受け取る配当が多い場合、意外と馬鹿にできない還付を受けれる可能性があるので是非一度覚えてみてください。(^^)/
※NISA口座分、外国株式の配当は対象外です。
目次
配当控除で節税効果がある人ない人
国内株式の配当の配当控除を受ける事で得をする人と、得をしない人がいます。
基本的に証券口座を特定口座の源泉徴収ありで運用していれば、利益に対して払うべき税金が自動的に徴収されるので自分で申告や納税する手間はかかりません。
ですがこのままだとほとんどの方が税金を払いすぎている結果になります。
仕事で稼いだお金にかかる所得税率は、所得が少ない人は低く、稼ぎが多くなればなるほど高くなっていきます。(累進課税制度)
累進課税率の表 国税庁ホームページより引用
(※これは給与所得や事業所得の所得税率なので、配当所得にかかる税率とは違います。)
自分の所得に応じた税率に合わせて、さらに住民税が一律10%加わった分が基本的に払う税金となります。
所得とは自営業の方であれば、売上から必要経費を引いた額。
サラリーマンの方であれば、収入(額面)から給与所得控除を引いた額です。
自営業の方なら売上から経費を引いた所得と分かると思いますが、サラリーマンの方は源泉徴収票の給与所得控除後の金額というところです。
出所 国税庁ホームページ
上の画像の②番のところですね。
このように稼いだ分に対して税率は変わるのですが、株式の利益は申告分離課税が認められています。
他の所得と合算せずに、株式の利益だけでどれだけ稼いでも一律20.315%と定められています。(※2021年時点)
事業所得や給与所得のように累進課税なら所得税と住民税合わせて最大55%の税率になりますが、株式の利益は特定口座の源泉徴収ありで運用していれば、申告や納税に関して基本的に何もしなくて良いので非常に楽ですし、どれだけ利益が出てもMAX20.315%の税金しか納めなくて良いのでかなりメリットですよね。
しかしそこまで収入が高くなければ、国内株式の配当の税金を20.315%も払わなくて良いのにそのままになっている人は多いと思います。
どういうことかと言うと、分離課税ではなくて、国内株式の配当益と仕事などの所得を合わせて900万円以下の場合は"総合課税"で申告した方が税率が低くなります。
以下画像の課税所得900万円以下に当てはまる人は検討しましょう。
出所 日経マネー
課税所得900万円はサラリーマン年収約1300万円あたりの人なので、大多数の人があてはまりそうですよね。
その他専業主婦や学生、特別な事情で扶養に入っている方で国内株式の配当を得ている方も配当控除はできますが、配偶者控除や扶養控除を受けている場合、所得が一定を超えると住民税、所得税を納めなければならなくなったり、扶養から外れた場合は扶養する側の税金も増えるので、その場合は配当控除を逆にしない方が良いです。
ただその場合かなりややこしいので、もし配当控除をする場合得するかは入念にシミュレーションした上で、各自治体や税務署、扶養している人の勤め先などに問い合わせてしっかり確認してください。
しかも配当控除ってほとんどの人がお得になりそうじゃない!!
株式の分離課税はお得感を出されていたが、場合によってはそうではないという…
もちろん楽ではあるが何もしないのは少々もったいない。
そういう場合もあるから配当だけでなく、売買益も含めて税率が下げれそうな人はお得になる可能性があるので総合課税で申告する事を検討してみてくれ! ただその場合はかなり収入低めの人に限られると思うがな!
配当控除の仕組みと税率
さて、ここまでで自分が配当控除をすることでメリットがありそうな方はその仕組みとやり方を理解しましょう。
配当控除をするのに必要なポイントです。
- 課税所得が900万円以下であること(扶養に入っている方は扶養から外れない場合のみ)
- 税務署に国内株式の配当所得を総合課税で申告する
- 住民税の申告不要制度の申請書を役所に提出する
以下画像は国内株式の配当にかかる所得税率、住民税率の表です。
出所 日経マネー
上記左の特定口座、源泉徴収ありで運用していて分離課税の場合、国内株式の配当にかかる所得税は15.315%で住民税は5%徴収されます。
しかし、総合課税で申告し直すことで税率を低くして還付を受けることができます。
(特定口座源泉徴収ありで証券会社を通して徴収されていても、確定申告で総合課税で申告し直すことができます。)
"国内株式の配当にかかる所得税"は、課税所得900万円以下であれば所得に応じて0%~13%の間になるので、分離課税の一律15.315%より税率を下げることができます。
(※給与所得、事業所得は別で5~45%所得税はかかりますのでそっちが節税できるわけではありません。)
総合課税で申告するだけであれば住民税は逆に一律7.2%と上がってしまいますが、ここで各自治体に住民税の申告不要制度の申請書を提出することで分離課税と同じ5%に戻すことができます。
よって所得税と住民税を合わせて20.315%未満になる所得が900万円以下になる人は総合課税で申告するメリットがあります。
課税所得が695万円より多く、900万円以下の人は住民税申告不要の申請書を合わせて提出しなければ得にならないのでそこは注意が必要です。
住民税申告不要を申請しないと上記画像真ん中の、税率20.473%になってしまいますので損します。
あと株式売買での損失がある場合、配当分の利益と損益通算して利益を失くすか、かなり低くなる場合は損益通算した方が良いので申告しない方が良いです。
さらに気をつけなければならないのは、リート(REIT)や外国株価指数連動型の投資信託(ETF)は国内上場であっても配当控除の対象外となります。
配当であっても配当控除対象外のものに関しては以下の通りです。
- 基金利息
- 私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等
- 国外私募公社債等運用投資信託等の配当等
- 外国株価指数連動型特定株式投資信託の収益の分配に係る配当等
- 特定外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当等
- 適格機関投資家私募による投資信託から支払を受けるべき配当等
- 特定目的信託から支払を受けるべき配当等
- 特定目的会社から支払を受けるべき配当等
- 投資法人から支払を受けるべき配当等
- 確定申告不要制度を選択したもの
- 申告分離課税制度を選択したもの
リートと外国株価指数連動の投資信託(ETF)は対象外って分かったけど他が難しすぎて良く分かりません…
ニッチな商品に投資すんじゃねえ!!!!!
よく分からない銘柄に関しては自己判断せずに、税務署か証券会社に必ず確実に確認してくれ!
ではいよいよ具体的なやり方を解説していきます。
まず証券会社の年間取引報告書を用意する
まずご利用の証券会社の年間取引報告書が必要です。
郵送されている方はそれを、電子交付されている方は証券会社ホームページから確認してください。
確定申告を書面で提出される方は、年間取引報告書も書面で提出する必要があるのでPDFをダウンロードして印刷してください。
SBI証券の場合で説明します。
右上の口座管理を押して、電子交付書面をおします。
そして、下にスクロールすると閲覧ボタンがあるのでおします。
私は特定口座で運用しているので特定口座年間取引報告書です。
一般口座の方はそもそも必ず自身で全て確定申告しなければなりませんね。
電子交付された書面の一覧の中から年間取引報告書の表示をおすと、まさに年間取引報告書が表示されるのでそれを基に申告の必要欄に入力、書面で提出の方は印刷です。
楽天証券の場合
右上のマイメニューをおすと開く、損益・税金履歴の項目の中の年間損益計算・確定申告サポートをおします。
取引報告書等(電子書面)をおします。
確定申告する年分の年間取引報告書を探して閲覧するをおして、同じくそれを見ながら入力、印刷する必要のある方は印刷する。
申告書類の入力・作成
年間取引報告書が準備できましたら、ではいよいよ申告書の作成に参ります。
ウェブで国税庁の確定申告書作成コーナーにいきます。
作成開始をおします。
確定申告経験者で、データを保存している方はそのデータを基にしても良いです。
申告方法を選びます。
右が書面で印刷したものを直接税務署に持っていく方。
真ん中が、利用者識別番号を取得して電子申請する方。
左がおすすめのスマホで電子申請する方。
機械をわざわざ購入する必要があるのでおすすめではありませんが、パソコンでICカードリーダーでマイナンバーカードを読み取って電子申請する方も左です。
まあスマホがあるんで簡単だしスマホで申告しましょう。
それか利用者識別番号を取得してパソコンで申請するのが楽&余計な出費無しなので良いです。
スマホやパソコンが古かったり、スペックが低いとできない場合がありますが、もしできない場合は新しいスマホやパソコンを買うのが今後の為にも良いと思います…(笑)
カードリーダーはどう考えてもいらないので…
申告方法を選んだらパソコン、もしくはスマホが動作に適しているか確認して右下のボタンをおして次へ進みます。
作成する申告書等を選びます。
会社員で給与収入のみの方は1番左の所得税を選択します。
自営業の方、会社員でも不動産やせどりなど副業で20万円以上の収入がある方は左から2番目の決算書・収支内訳書の作成に進みます。
今回は決算書等は長くなりすぎるのと、配当控除の申告の仕方とは直接関係ないので割愛します。
よって所得税の作成から説明します。
項目をおすと作成開始と出ますのでおして進みます。
すると生年月日と申告に関する質問があるので選択して進みます。
給与収入だけの方はこういった感じです。
自営業、副業収入がある方はこういった感じです。
次に進んで給与収入のみの会社員の方は源泉徴収票に基づいて入力します。
いよいよ"国内株式の"配当控除のための入力
こういった画面で各所得が入力できるようになるので配当控除を受ける為に、配当所得のところをおして入力します。
事業所得、給与所得をここで入力する必要がある人は先に入力してください。
先にそっちの所得を入力しておかないと配当控除の額が算出されないので。
するとこのような画面が開くので総合課税を選択して、「特定口座年間取引報告書」の内容を入力するをおします。
続いて選択すると次に入力する項目がどんどん開いていきますが、書面で交付された特定口座年間取引報告書の入力をおします。
すると次が開くので、口座情報の入力で源泉徴収有りを選びます。
(※証券口座を源泉徴収なし、あるいは一般口座で運用している方は無を選択で全ての所得を入力しますが、そのパターンの人は分かってると思うので割愛します。)
勘定の種類では配当等を選択し、その下の「この特定口座(源泉徴収あり)について申告するものを選択してください」の項目でも配当等を選択します。
そして下の項目にそれぞれ入力しますが、上記で用意しておいた証券会社から交付された"年間取引報告書"を基に入力していきます。
まず『⑥投資信託又は特定受益証券発行信託』というところに、証券会社ごとに受取った国内株式の配当総額を入力。
そして『⑱納付税額』に徴収された所得税額、徴収された住民税額をそれぞれ入力します。
上場株式配当等控除は0で良いです。
確定申告ページと楽天証券の年間取引報告書を以下2枚続けて添付します。
その下に受取った証券会社名と支店名もしくは本店を入力します。
配当所得に係る負債の利子の額は0です。
通常借金で株式投資はできないです。
投資会社なら別なのだとは思うのですが、個人で株式投資の為に融資をしてくれる金融機関は絶対にありませんので、ここは通常認められないと思います。
別の証券会社からも国内株式からの配当を受取っていて、配当控除する場合はもう1件入力するをおして同じようにしてください。
終わったら右下の緑のボタンで入力終了(次へ)をおします。
そうしたらこのような画面が表示されるので配当控除の入力をおします。
計算というボタンがあるのでおします。
すると下の欄に数字が表示されますが一番下のカタカナ記号の(二)以外にちゃんとなっているかを確認して、よければ右下の次へをおします。
(※事業所得や給与所得を最初に入力していないと一番下の配当控除の対象とならない項目になってしまいます。)
そうしたら以下画面になりますが、問題なければ次へ進みます。
下の方で前年以前の3年間の間に株式での損失を申告している方は、「はい」を選び入力します。
ここは見れば分かりますので割愛します。
損失を申告していなければ「いいえ」を選択し、次へ進んでください。
(※特定口座で源泉徴収ありで、前年以前損失を申告していなければ遡って申告はできないので、諦めてください…
なので損失があった場合も確定申告は必ずしておきましょう。)
あとはそのまま流れに沿って必要項目入力していってください。
医療費控除や配偶者控除など各自違うと思いますが、そのまま入力するだけです。
進むと申告書の控えもダウンロードするか、印刷できる画面が出てくるので保存しておきましょう。
※後述する住民税申告不要制度の申請時に、確定申告書の控えの写しも提出する必要があります。
さらに外国株式の配当があり節税したい方は、外国税額控除もできますのでこちらをご参考にしてみてください。(^^)/
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【外国税額控除とは?やり方を分かりやすく解説】画像たっぷりで詳しい記入例
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住民税申告不要制度の申請書の提出
さて、非常に慣れていないと疲れますがここまで確定申告をすることで"所得税"の節税はできています。
ここからは"住民税"の節税をする為にお住いの住民票がある自治体の役所に『住民税申告不要の申請書』を提出します。
分離課税だと配当にかかる住民税の税率は5%でしたが、総合課税にすることで一律7.2%の税率に逆に上がってしまいます。
これを5%に戻すのに『住民税申告不要の申請書』を提出する必要があるのです。
神戸市の申請書を例とします。
個人情報はそれぞれ入力してください。
確定申告で入力した分の配当所得を入力します。
証券会社で徴収されている分離課税分は私の場合は記入しなくて良いと言われました。
すでに税金が徴収されているからでしょう。
そしてこの書類だと、1の確定申告した所得を住民税で申告しないを選びます。
その下は配当控除を受ける場合は記入しなくて良いです。
自治体によって申請書の様式や記入方法は違うと思うので、提出する時に確認して正しく修正する必要があれば教えてもらいましょう。
最悪分からなければ白紙で行って必要な記入箇所、方法を聞きましょう。
役所の担当職員さんが教えてくれます。
あまりされる方がいないのか、私が市役所に行った時は案内の職員さんに申請書の提出する旨伝えたところ何それ?みたいな反応されました。(笑)
住民税申告不要の申請書を提出するにあたって、一緒に提出するものがあります。
- 確定申告書の写し
- 身分証明書
- 証券会社の年間取引報告書
- 印鑑(記入を間違えた時の修正に必要)
これらを一緒に持っていきましょう。
さあ、これができれば国内株式の配当の節税は終了です。
大変お疲れさまでした。(^^)/
たとえ少額でもしっかり節税できるところはすると、長い目で見て大きなリターンに繋がりますからね!!
国内株式の配当を多く得ている人は、数万円~十数万円以上といった全然少額ではなく大きな節税ができる可能性もあるので意外とバカにできません。
ハイスペックなビジネスパーソンの方は利用できないかもしれませんが、大多数の方は適用されると思うので、やり方を覚えると意外と簡単なので是非一度覚えてみてください。
節税も駆使して資産運用を頑張りましょう!!