良い銘柄はどれだろう…
今回は少額から不動産への分散投資ができる、REIT(リート)の選び方、おススメ銘柄をご紹介させて頂きたいと思います。
以前REIT(リート)に関しての解説をさせて頂いておりますので、まずそちらをご覧になられるとより理解が深まるかと思います。
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高配当狙いならREIT(リート)が株よりおすすめ!?【誰でも少額から不動産投資】
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REIT(リート)は株式と同じように証券取引所に上場している商品で、証券会社に口座を持っている人なら誰でも、売買することができます。
直接的に現物不動産を所有して貸し出して運用するという投資ではなく、【投資者から集めた資金をファンドが運用する】、という仕組みなので少額から比較的簡単に不動産への投資ができます。
RIET(リート)のメリットは、家賃収入があることから安定的に分配金を得やすい・自分で不動産運用する手間がかからない
ということです。
RIET(リート)の選び方
- 不動産の種類
- 時価総額
- 運用コスト
- 分配金利回り
- LTV(借入金比率)
- 格付け
- NAV倍率
1つ1つ解説します。
不動産の種類
対象としている不動産の種類を確認することが1番の基準ではないでしょうか。
どんなに分配金利回りが高くても、不動産の価値が値下がりしてしまえば差益で損失がでてしまうので、安定して成長が見込めるジャンルを選びましょう。
安定した収益を目標とするのであれば、賃料の収入が景気に左右されにくい住居特化型REITがおすすめです。
オフィスビル特化型は分配金利回りが高い傾向にありますが、今後の需要は今のところ停滞懸念があります。
成長性で言うとインターネット通販による需要増加の物流施設、高齢化に伴う需要増加のヘルスケア施設などがあります。
個人的には物流施設が伸びしろが期待できると思います。
需要の増加もですが、物流施設は長期固定で賃貸契約を結ぶことが多いので景気が悪化してもすぐに影響を受けることは少なく、分配金も安定しているからです。
時価総額
資産が多いほど多くの投資家が投資をしていると考えられ、人気があり流動性が高くなると言えます。
流動性が低いと思ったタイミングや価格で約定できません。
どんな金融商品でもそうですが、人気がなく資金が集まらないと運用継続が難しくなるリスクがありますし、流動性が低いと何かあった時に大幅に価格が変動するリスクもあり、さらにそういった時に思った価格より不利に約定せざるを得なくなります。
明確な基準はないのですが、時価総額が1,000億円を超えている事が1つの基準かなと思います。
運用コスト
保有しているだけでかかる運用コスト(信託報酬)です。
REITの信託報酬は、株式の投資信託やETFよりは高い傾向にありますが、一概に低いのが良いというわけではなくトータルしてどれだけの利回りになるかを考えなければなりません。
例えば、信託報酬が0.2%で分配金利回りが2.3%の銘柄と、信託報酬が0.3%で分配金利回りが4.5%あれば、後者の方が最終的に得られるインカムゲイン(保有していると得られる利益)としては多いですね。
同じような分配金利回りならコストが安い方が良いので、そこは確認すべき点です。
LTV(借入金比率)
LTVは「借入金÷総資産」で計算され、純資産に比べてたくさんお金を借りているほど、LTVが高くなります。
簡単に言えば借金の比率のことです。LTVが高くても一概に悪いとは言えませんが、LTVが高いと返済ができずに倒産するリスクがあります。なるべくLTVが低いもの、具体的には50%以下が大体の目安としておススメです。
格付け
ファンドは色々な要素を踏まえて格付機関から格付されています。専門の機関による客観的な指標なので、ある程度参考にしてみてもいいかもしれません。
健全な運用ができている投資法人ほど評価が高く、最も高いのは「AAA」です。(格付け機関によって表記の仕方は異なる)
投資不適格のものは避けましょう。
NAV倍率
NAVとはNet Asset Valueの略称であり、「純資産価値」のことです。NAV倍率はREITの価格に対して、どれくらいの純資産があるかを示す指標であり、REITの銘柄が割安か割高かを知るために利用されます。
NAV倍率は次の式で算出されます。
NAV倍率=REITの市場価格÷1口当たりのNAV÷投資口数
NAV倍率が1より小さければ、純資産よりも価格が安く割安な銘柄だと考えられます。逆に、NAV倍率が1より大きければ、純資産よりも価格の方が過大に評価されていて、割高な銘柄と考えられます。
割高な銘柄は価格が適正な水準に落ちついていくと予想できるため、投資家は新たに購入するのを避けるケースが多いです。NAV倍率が高いものが一概にダメとは言えませんが、投資するときの目安としてNAV倍率が1程度か、1より低いと割安だという目安にすると良いでしょう。
株式のPBRと似ていますね。
安定性と成長性、今の価格が見合っているのかのも確かに重要な要素ね!
銘柄を探すのも楽しそうね!どんなのがいいかな~。
では私の独断と偏見でピックアップした銘柄をご紹介しよう。
おススメ銘柄
名称 | 分配金利回り | 時価総額 | 投資口価格 | 投資対象 |
大和ハウスREIT法人(8984) | 4.42% | 5410憶9400万円 | 250800円 | 総合型 |
ヘルスケア&メディカル投資法人(3455) | 5.71% | 341憶4800万円 | 110600円 | ヘルスケア施設主体型 |
オリックス不動産投資法人(8954) | 5.56% | 3532憶8000万円 | 128000円 | 総合型 |
NEXT FUNDS 東証RIET指数連動型上場投信(1343) | 4.20% | 2891憶9800万円 | 16470円 | 総合型
インデックス指数連動 |
上場インデックスファンド豪州リート(1555) | 5.24% | 51憶円 | 1022円 | 総合型
インデックス指数連動 |
iシェアーズ米国リート・不動産株ETF(1590) | 3.22% | 94憶円 | 1641円 | 総合型
インデックス指数連動 |
※2020年4月時点データ
大和ハウスREIT法人(8984) | 物流施設が50%弱、そして住居が約36%を占め、他に商業施設やホテル等がポートフォリオとなっている。またJCRからは「AA」、R&Iからは「A+」という高格付をそれぞれ取得しており、日本銀行が投資口を保有している銘柄の一つ。 |
ヘルスケア&メディカル投資法人(3455) | 介護医療事業を手掛けるシップヘルスケアホールディングスに加え、三井住友銀行、ファンド運営事業を行う、NECキャピタルソリューションを主要スポンサーとするヘルスケア施設特化型J-REIT。三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)の物件の組入比率を80%以上とするポートフォリオ。資産額はヘルスケア施設特化型J-REITの中では最大となる650億円弱。2017年11月にJ-REITとしては初めて病院資産を取得した。JCRから「A」という格付を取得している。 |
オリックス不動産投資法人(8954) | オリックス・グループをスポンサーとする総合型J-REIT。上場が2002年という古参銘柄の一つ。ポートフォリオの53.7%をオフィスが占める他、商業施設やホテル、物流施設や住居も万遍なく保有している。JCRから「AA」、R&Iから「AA-」という高格付を取得しており、日本銀行が投資口6%以上を保有している銘柄の一つ。旗艦物件は「ホテルユニバーサルポート」。 |
NEXT FUNDS 東証RIET指数連動型上場投信(1343) | 東京証券取引所に上場しているREIT全体の動向を示す指数に連動するインデックスのETF
分配金利回りはREITの中ではそれほど高いとは言えないが安定的な銘柄。 |
上場インデックスファンド豪州リート(1555) | オーストラリアのリートに投資する事となっている、指数であるS&P/ASX200 A-REIT指数に連動するように構成されている商品。 |
iシェアーズ米国リート・不動産株ETF(1590) | 米国上場REITで構成される指数と連動を目指すETF。 |
1555豪州リートと1590米国リートは、海外不動産への投資ですが、国内組成のETFであり、国内株式と同様に取引ができます。
J-REITはコロナショックまでは成長著しく、海外と比べてもトータルリターンは優秀でした。
ただ日本は自然災害が多い国になりますので、大震災が起こり不動産が崩壊してしまうというリスクもあります。
アセット(資産)分散するという目的で、海外のREITもポートフォリオに加えると良いかもしれません。
やっぱりREITでもインデックスだと、単一特化型に比べて少し分配金は下がる事が多いけど、安定して運用できそうね。
それでも株式よりは比較的高いけど。
株でも不動産でも、これからの需要を考えて銘柄の健全性、期待値を計って投資するのね!
私のようにリスクの高い新興国なんかに、表面利回りだけで判断して投資をすると大失敗する。
しかもレバレッジなんかかけると、最悪人生再起不能になるほどのダメージを受けてしまう!!!
十二分に気を付けてくれ…
良いところを見ていくのは分かってもらえたが、反対に選ぶのを避けるべきものもある。
何か分かるか?
え~、なんだろう。人気がないもの?運用コストが高い?衰退産業?
そこをちょっと踏み込んで見ていこう。
買ってはいけないREIT(リート)
買わない方がいいのが『毎月分配型』そして『為替ヘッジあり』
毎月配当があると一見嬉しく感じるかもしれませんが、毎月分配するという事はそれだけ元本を削っている可能性があるということです。
毎月分配型のものは利益が出ていないのに分配金を出しているタコ足配当になっていたり、アホみたいに高い手数料のものがあります。
タコ足配当になっていなければいいのですが、分配金を多く出しすぎるものは要注意です。
表面利回りが高いものは、投資に関してあまり詳しくない人にとっては魅力的に見えてしまいがちです。
しかしこれは毎月分配金で元本を削って利回りを高く見せることをしているケースがほとんどであり、こういう商品は避けるべきです。
そして『為替ヘッジあり』もヘッジのコストがかかってくるのでない方が良いです。
長期で運用をお考えであれば手数料も元本を減らす原因になるのでヘッジなしを選びましょう。
信託報酬がやたらと高いものも同じ理由です。
どんなに高くても0.5%までがいいかなと思いますが、トータルリターンで考えてください。
表面利回りが高いのにはデフォルトリスクが高いなど、それなりに理由があると思うのでそこも気をつけてください。
毎月もらえるなんてお得って思っちゃってた。為替ヘッジもリスクを抑える為にした方が良いのかなとも思ってたわ。
為替ヘッジありは手数料が単純にもったいないのでなしでいいだろう。
まとめ
●色々な要素を組み合わせて判断する。
(成長性が見込めるカテゴリーか、時価総額、運用コスト、価格が価値に見合っているか等)
●複数用途型が、単一特化型など投資対象の特徴がある。
●比較的高い分配金でインカムゲイン狙いにリートはおすすめ。
●物流施設、ヘルスケア施設は全般的に今後の成長が見込めるジャンル。
●毎月分配型、為替ヘッジありは元本を削り、リスクが大きくパフォーマンスを低下させるので避けよう。
今回は一見ハードルの高そうな不動産投資でもリートに投資すれば手軽にできるので、銘柄を選ぶ判断基準、ピックアップしたおススメ銘柄、注意点をご紹介させて頂きました(^^)/
REITは分配金の利回りが高いので不労所得となり得るものは確かに多く魅力的です。
資産の大半を1つのジャンルに固めるとリスクが高まるので一部を振り分けるには非常に良いと思います。
バランスを考えながらポートフォリオを組んでみてください。