高配当銘柄で長期投資していきたい。リスクはある程度仕方ないけど長期保有でリターンが期待できる銘柄って何かあるかな…?
その銘柄について今回は紹介していくぞ!
目次
【ARCC】エイリス・キャピタルとは
【ARCC】エイリス・キャピタルはアメリカの中小企業、新興企業に投資を行っているBDC(投資会社)です。
社名 ティッカーシンボル | Ares Capital Corporation(エイリス・キャピタル) ARCC |
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設立 | 2004年 |
本社 | 米国・ニューヨーク州 |
上場市場 | NASDAQ(ナスダック) 2004年10月上場 |
業種 | クローズドエンド型非分散型管理投資会社 |
投資総額 | 約143憶ドル超 (※2021年1月時点) |
配当利回り | 約8~11% 平均9%以上 |
BDCとはBusiness Development Company(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)の略称で、新産業や有望な中小、新興企業の金銭面、経営面のサポートをする会社です。
BDCの投資対象は未上場企業も含まれます。
通常、上場していない企業への投資は個人投資家はほぼ不可能です。(外国企業となればなおさら)
しかしARCCのように上場している投資会社に投資する事で、間接的に投資家は『BDCを通じて未上場である新興・ベンチャー企業へも投資できる』のがメリットです。
ソフトバンググループへ投資するのも似ていますね。
米国最大のBDCで現在(2021年1月時点)で約143憶5800万USD未満の資金で347の会社に投資しています。
出所 ARCCホームページ
特徴として、利益の90%以上を投資家へ分配することで法人税の優遇を受けています。
REITに似たような仕組みで、基本的に儲けた分はどんどん投資家に還元しています。
このことから超高配当として知られ、配当利回りは大体8~11%あります。
基本的にこれが平常運転なのでかなり驚愕ですよね。
配当月は、1・4・7・10月と年4回あります。
じゃあ当然そんな高い利回りのものはリスクも高いんじゃないか、株価が下がり続けてトータルリターンはプラスになりにくいんじゃないかという疑問がうまれますね。
ARCCは危険ではないのか
ARCCはBDCの中で最大の企業です。
BDCの運用は、資産の70%以上を法律で定められた適格投資対象に投資することや、1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えることなどが定められています。
大半の資金は比較的リスクの低い銘柄に、分散してさらにリスクを抑えるように法律で定められているんですね。
さらに外部の格付け機関、世界3大格付け会社からも一応全てBBB以上と投資適格の評価を得ています。
ですが、ARCC自体と投資先70%は投資適格であっても、ARCCが投資している30%の会社は格付けの低い会社の場合もあります。
新興・中小企業へ融資するBDCのビジネスモデル上注意は必要です。
一般的に信用力の低い場合、融資利率は高く設定されます。
リスクがあるものだからこそ高いリターンを産む可能性はあります。
ただやはりリスクの高い資産はリスクオフの地合い、不況ではかなり弱く株も売り込まれます。
他銘柄に比べて下落率もかなり高くなるのも事実です。
不景気にはめっぽう弱いです。
最大の下落はリーマンショック時で、当時は実に約80%もの下落をしました。
20ドルだったのが、3.6ドルあたりまで凄まじい下落をしています。
100万円投資したら20万円になります。
その後持ち直してはいますが金融危機に実際に自分が直面した時、凄まじい下落で資産額が激減するのを耐えれる覚悟があるかですね。
そもそもリーマンショック後は持ち直しましたが、今後も下落した後持ち直すかは分かりません。
そのまま投資先企業が多く倒産してARCC自体が破産してしまう可能性もありますし、投資家が『こんなリスクのある株は嫌だ』と思い不人気になれば株価は回復しないかもしれません。
実際不人気株はどんどん下落していっているものもありますからね。
株価が回復しない株価の例ですが、日本を代表する銀行、メガバンクのみずほ銀行の株価は以下のように地を這い続けています…
どんなに高配当でも株価が回復しなければ利益は出にくいです…
株怖い…
実際金融危機などそういった事態に直面すると、最初はマイナスでも『そろそろ回復するかも…』という気持ちでなかなか資産のマイナスを受け入れられません。
そして落ち続ける株価、さらに大きな損失になった時にもう耐えられなくなり、泣きながら損切。
この間仕事中も株価が心配で強いストレスにより精魂尽きた状態になります。
いくら配当利回りが高いとはいえこれはきついですね…
話は戻ってARCCのリーマンショック後はどうでしょうか。
株価は大分回復して、横ばいが続きます。
といってもかなりボラティリティはありますが(^^;)
その後コロナショックでまた暴落。
19.3ドルから8ドル以下にまで約60%大暴落しました。
その後急回復してある程度戻していますが、ARCCに全力投資は絶対に危険なのでやめた方が良いですね。
ただ株価急落により配当利回りは11%を超えました。
暴落時にリバウンドもとれて拾っておくとかなり美味しい株になりそうです。
株価の上昇はあまり期待できなさそうですが、基本的にインカム目的の投資対象ですね。
そして平常時や全体相場良い時にはあまり大きく積極的に買うべきではない投資対象ですね。
株価が落ちているときに拾っておくと、景気の良い時には他と比べて高いリターンを得れそうです。
株価と配当のトータルリターンで見てみましょう。
直近約20年程のリターンはS&P500よりも好成績です。
ARCCのトータルリターン
ARCCとS&P500の配当込みチャート
なんと配当込みのトータルリターンだと、最強の株価指数S&P500よりも高いリターンを得ています。
長期で保有するには非常にアリ◎という風に私は感じました。
減配もこれまでしていますが、リーマンショックの時でも17%ほどの減配にとどまったので、大幅な減配はないかと思います。
コロナショック時には減配しなかったので、配当を出すことにおいては期待できそうです。
ですが、弱気相場や世界恐慌レベルの状況においては非常に脆弱であることは事実です。
資産の大半を失うリスクもあるのであくまでもポートフォリオの一部に留め、全体相場下落時に資産に大きく影響しない配分にすることが前提かと思います。
株価暴落のタイミングで仕込むのはかなりアリな銘柄と言えるだろう!
まとめ
〇ARCCは新興、中小企業に融資する投資会社
〇配当利回り10%前後と超高配当
〇ハイリスクハイリターンな銘柄であることは間違いない
〇不況にはめっぽう弱い
〇好景気が続く限り圧倒的なリターン結果を出す可能性
〇株価が半分以下になることもある(過去最大約マイナス80%)
〇株価上昇は見込みにくい
〇配当込みのトータルリターンではS&P500よりも良成績
〇暴落時に買えると良い
今回は米国株の超高配当銘柄、【ARCC】エイリス・キャピタルのご紹介でした。
利回り10%はとても魅力的ですね(;゚Д゚)
ただかなりボラティリティが激しいので、仕込むのは株価が大きく落ちた時に絞った方が良さそうです。
リスクを許容出来なさそうな場合は投資はしない方が良いかもしれませんね。
精神的に振り回されそうな方は方はもう少し利回りが低くても安定的な銘柄をおすすめします。
投資対象的にARCCが絶対倒産しないとは言えないからです。
投資するにしてもあくまでポートフォリオの一部に留めておくのが良いと思います。
ただ世界的な市場後退の場面では割と買っても良いと思います。
リスクを踏まえて是非ご参考にされてみてください(^^)/
ARCCはアメリカ株ですがSBI証券では取扱いがありません。
ARCCを取り扱う証券会社はあまりなく、現状あるのは楽天証券なので投資したい方は楽天証券からどうぞ。(^^)/